どうなる?超高齢化における介護保険 ~ 2021年12月議会報告
日本の総人口は前年度から51万人減少している一方で、高齢化率は2021年9月現在、23.6%で2位のイタリアを大きく引き離して1位、29.1%となっています(総務省統計局)。平均寿命が延び、一人暮らし高齢者や高齢者のみの世帯、さらに認知症高齢者も増加しています。隣近所の気遣いや地域社会での助け合いの仕組みづくりが大切です。それでも、介護が必要となった時には、介護サービスを活用しながら住み慣れた地域で自分らしい暮らしを少しでも長く続けたいものです。
介護が必要となったら、まずは市役所の窓口に相談するか、市内に5か所ある地域包括支援センターに相談して申請します。申請から介護認定の決定までは、平均1か月ほどですが、その間認定調査員による聞き取りや介護認定審査会が行われます。一方、介護認定の結果に対して不服がある場合は、「区分変更を申請する」と言う選択肢があります。通常、区分変更は、認定を受けている期間内に「本人の心身の状態が大きく変化した」場合ですが、「予想と異なる要支援要介護認定」のケースでも行われる事があります。12月議会では、介護認定での「区分変更」の状況について質問しました。 直近5年間の区分変更申請の推移は、2016年が、全申請件数3,571件の内、変更申請件数は391件で割合は、10.9%、
2017年が、2,977件の内、454件で、15.3%、
2018年が、3,580件の内、426件で、11.9%、
2019年が、3,263件の内、441件で、13.5%、
2020年が、2,451件の内、507件で、20.7%となっています。 また、変更申請により認定結果が「軽度から重度になった者」の割合は93.4%、逆に「重度から軽度のなった者」は2.6%、認定結果に変更がなく「却下」となった者は4.0%です。区分変更申請の結果にも納得できない場合には、さらに「不服申し立て」と言う選択肢もあります。
団塊の世代が後期高齢者となる2025年はそう遠くない未来に迫り、要介護認定者のますますの増加に伴って介護給付費も増加傾向が続きます。介護保険制度の持続化のためとして、介護認定が受けにくくなる等の影響が懸念されます。そこで、介護給付費抑制のために、介護認定への影響があるのか質問しました。 市は、「介護認定において、介護が必要と判断された方には、必要な介護サービスを受けていただくことが介護保険制度の本旨であると考える」と答弁しました。さらに、「介護予防や重篤化防止の取り組みで、介護給付費抑制を図っていきたい」と言及しました。これからも適正に介護給付サービスが提供されているのか、しっかり注視していく事が重要です。