市庁舎における農薬・薬剤の適正使用について
学校、博物館・美術館、百貨店や大型スーパー等のようにある程度大きな建築物は、特定建築物(面積3000平方メートル以上)と位置付けられ、特定建築物環境衛生管理基準に従って、空気、水、清掃、害虫防除の実施等が良好な状態を維持されるように法律で規定されています。しかし、子育て世代から高齢者や障がい者住民誰もが様々な手続き等で利用する市役所では、農薬や薬剤を使うネズミ・昆虫等の防除がどのように行われているのか、また、頻度はどれ位なのかが気になります。 特に、香害による健康被害を訴える方や化学物質過敏症の方たちにとって、農薬や殺虫剤の使用による影響は軽視できないものなので、9月議会で質問しました。
総務部長の答弁では、伊勢原市では、害虫の被害状況について、6か月以内ごとに1回統一的調査を実施し、建築物環境衛生管理業務を委託する事業者の意見を踏まえ、薬剤噴霧による防除を実施しているとの事です。庁舎、分室、事務室等は年に2回、レストランがある建物の厨房は年に3回の実施です。また、市庁舎周辺の植栽については、環境省の管理マニュアルや植栽の専門家の意見を参考に、年2回の薬剤噴霧が実施されています。
一方、薬剤偏重による環境や健康への影響を低減する方法として『総合的有害生物管理』については、どのように考え、取り組んでいるのか聞きました。総務部長は、清掃の徹底、整理整頓、食べ物の放置の禁止、ごみ箱の管理、特に飲食調理場周辺や機器の清掃管理が大切であり、効果があると答えました。また、定期的な生息調査等が重要であり、粘着用トラップの設置は『総合的有害生物管理』の物理的防除です。しかし、『総合的有害生物管理』のその他の方法の取組については、確立されていないとして消極的でした。さらに、使用している薬剤が人や環境への悪影響が認められているPRTR法の第1種指定物質であり、指定されていない薬剤を使用する考えはないのか聞いたところ、農林水産省や環境省へ直接問い合わせたが、代わりとなる薬剤が見当たらないので、使用範囲を最小限にする事で抑制しているとの答えでした。
止む無く悪影響が認められる薬剤を使用し続けるなら、市民全体への使用日時の周知徹底は必要不可欠であることを提案し、また、引き続き薬剤・農薬の低減に向けた取り組みを進める事を強く求めました。