2020年の平和への願い

本年、2020年は太平洋戦争の終結から、また、広島の街に、長崎に原爆が投下されてから75回目の夏となります。私もかつて、広島平和式典に合わせて開催される生活クラブの「広島スタディツアー」に中学生だった息子と一緒に参加した思い出があります。それまで広島についてあまり知識を持っていませんでしたが、爆心地に近い本川小学校を見学し衝撃を受けました。10人の教員と400人の小学生が一瞬で命を奪われ、奇跡的に1人の教師と1人の生徒が生き残ったと言う話を聞きました。2泊3日のスタディツアーから帰宅して間もなく、ごく身近な人間関係の中に本川小学校の児童でたった一人の生存者である『居森清子さん』(2016年逝去)がいることを知りました。もし、「広島スタディツアー」に参加していなければ居森清子さんの存在に気付かなかった事でしょう。がんと闘いながら自らの被爆体験を語る活動を続けていた居森さんは、スタディツアーの報告会への参加も快諾して足を運んでくださいました。今年は新型コロナのために、生活クラブの『広島スタディツアー』は中止となり、伊勢原ネットが毎年展示参加している伊勢原市の『平和の集い』の開催もありません。しかし、かつて多数の犠牲者を出した悲惨な戦争に思いを馳せ、普通に暮らす市民の上に原爆が投下され、その後の長い年月を苦しみ続けた多くの人たちがいたことを決して忘れてはならないとあらためて強く思います。