敗戦の日から70年のこの日に

第二次世界大戦終戦から、今年はちょうど70年。これまで世界では東西冷戦から、ベトナム戦争、イラク戦争など数々の戦争が絶え間なく起こっていましたが、日本は戦争で人を殺したり殺されたりすることはありませんでした。悲惨な戦争の体験から生まれた「平和憲法」に守られてきたことはいうまでもありません。

自公政権は、7月16日、集団的自衛権行使を含む安全保障関連法案(11の非常に重要な法案)を一括議題として、衆議院本会議で強行採決し、現在、参議院にて審議が行われています。

昨年7月、これまでの歴代内閣では否定してきた集団的自衛権の行使を、憲法の解釈変更によって容認するという閣議決定を行ないました。これは「立憲主義」を否定するものです。さらに、その具体を規定する法案では、後方支援などに曖昧な定義を掲げており、自衛隊を海外に派遣し、他国の軍隊の武力行使を支援する活動につながる不安があります。これは日本国憲法の重要な理念である「平和主義」を否定するものです。

歴代の内閣法制局長官はじめ多くの憲法学者や弁護士、学識者、文化人などからも違憲、廃案を求める声が相次いでいます。自民党内でも歴代の首相経験者から疑問の発言があがっています。さらに、学生を中心とする若者、高校生、若いママの会などにも反対の抗議行動がひろがり、様々な層で、反対の声が高まっています。

参議院の審議の中では、法的安定性や核兵器の輸送等の問題が次々と浮上しており、国民の理解を深めるどころか、審議をすればするほど疑問と不安が膨らんでいます。ヒロシマ・ナガサキの壮絶な体験、福島原発事故を経て、核兵器廃絶や原発廃炉の声が高まっている中、九州川内原発の再稼働が進められました。8月14日発表の「安倍談話」は、アジア諸国への「おわび」や「侵略」が入っているものの主体性が感じられません。

私たちは、市民主権・立憲主義を無視し、事実上の改憲を行おうとする安全保障法案の廃案を求めます。