「みえない雲」上映と翻訳者高田さんのトーク

高田ゆみ子さんのトークに聞き入る参加者


「みえない雲」を上映
 ドイツで、チェルノブイリ原発事故後に発表され、脱原発の動きを引き出し、学校での国語教材にもなった小説「みえない雲」。9月25日、その小説をもとにした映画の上映会を行いました。原発事故を知り、一斉に逃げ惑う人々やがらんとした街の中を牛が歩き回る様子、正気を失って我先に行動する人たち、被曝して生きる望みを失った人たちなど、フクシマを経験した私たちには、現実を映し出しているように感じました。

翻訳者高田ゆみ子さんのトーク
 日本では、原発がなければ電気が足りなくなるとか、経済が低迷する等の経済性や効率で、原発の是非を論じています。しかし、ドイツでは、安全なエネルギー供給に関する倫理委員会が立ち上がって議論しています。メンバーには、社会学、キリスト教会、自然科学、哲学等の専門家が入り、「倫理的なエネルギー制度を作りたいなら原子力はやめた方がよい。云々」という答申を出しています。昨年以来、安心安全な社会ということをよく耳にしますが、倫理の視点が欠如していると思います。
 

参加者の方から
 当日の参加者は、約30名でした。いせはらネット通信でお知らせしたことから、私たちの企画事業に、初参加の方が多くありました。
 感想の一部をご紹介します。「人間がコントロールできない原発を動かしてはいけないと思う。」「この放射能という物は、人類にも、国境にもすべておかまいなしなので、今後増やすことなく、すでに作られてしまった物をどうするか、大問題だと感じました。」「福島原発前に作られた映画ですが、福島原発事故を思いながら鑑賞した。原発によるエネルギーが大きな危険性をはらみながら国民にひたかくし、安全だと声高に叫び今日に至った。国策といっているが、誰が決めたのか。国民はこれに参加したのか。もう一度、原発を根本から見直し、今後日本のエネルギー政策を慎重に考える必要がある」